4年半ぶりに訪れたウズベキスタンは、いろいろなことが変わっていた。なかでも、劇的に変わったのが、スマホの普及率。コロナ前はスマホより、まだフィーチャーフォン、いわゆるガラケーのほうが主体であったが、今はみんなスマホだ。驚くことに小学生や中学生が学校に持って行ってたりする。インターネット事情も変わった。ホテル以外でWi-Fiなんてなかったが、今はレストランでもWi-Fiがあったりする。
その結果、日本と同じく、スマホに心を奪われてる人が爆増している。とくに若者は、寝ても覚めてもスマホに夢中で、ずっとスマホをいじっている。スマホに心を奪われてる人と一緒にいると、ひとりでいるときよりも疎外感がすごいので、残念としか言いようがない。
そんなウズベキスタンでの主流のアプリは日本とは少し違った。SNSはインスタとFacebookのほか、ロシア発のSNSのOdnoklassniki(アドナクラースニキ)というロシア版のmixiみたいなのがある。これはウズベキスタンだけでなく、ほかの旧ソ連圏の国々でも人気だそう。インスタに関しては、使用方法も違う。リールとLiveがほとんどで、普通の投稿はほとんどされない。メッセンジャーアプリは、Telegram(テレグラム)が基本。こちらもロシア発のアプリで、旧ソ連圏の国らしさがうかがえる。
ウズベキスタンの急速なデジタル化の背景には、政府の取り組みがある。旧ソ連から独立して以来25年にわたり強権支配を続けていたカリモフ大統領が2016年に死去し、新しいミルジヨーエフ大統領に代わってから、ずいぶんと外に開かれた政策が繰り広げられている。カリモフ大統領の時代は、国内産業の育成に重点を置いた政策がとられ、外国企業の参入がむずかしかった。今はさまざまな分野で、外国のものを入れている印象だ。その一環で、「デジタル・ウズベキスタン2030」という戦略のもと、情報通信インフラの発展や、情報技術の導入を進めているらしい。
日本でも感じることであるが、デジタル化が進むことで便利で快適な社会となってはいる。ただ、人として大切なものが失われてしまっていやしないかとか、人としてどちらが幸せなのかということを、ふと考えてしまうのである。