当たり前のことであるが、再訪の回数を重ねるほどに、現地で知り合いが増えていく。最初の再訪、つまり2回目の訪問のときは、こちらは覚えているものの、相手は覚えていないということがほとんどだ。旅行者が再び戻ってくるとは考えていないのだろう。打って変わって3回目となると、相手側もみんなこちらを覚えている。顔も名前もちゃんと覚えられていて、顔を見るだけで気づくようになる。
不思議なことに回を重ねているうちに、こちらが知っている人の数と、相手が自分のことを知っている人の数が、いつの間にか逆転する。要するに、自分のこと知ってるようだけど、誰だっけ?ってケースが増えるのである。
覚えていなくて、申しわけない気持ちになるが、いたしかたがない気もする。
ウズベキスタンのとある町は、飛び抜けて知っている人が多い。それも、ウズベキスタンのはじめて訪れたときか、2回目のときに出会った人たちがほとんどで、10年来の付き合いがある。そういう相手はこちらもわかる。子供との出会いからはじまり、その家族、親族など、多い家では20人以上いたりするが、覚えている。
しかし、何度も通っていると、まれな出会いがあったりする。たとえば、その家の人がお友達10人くらいと食事会しているところに参加したり、100人以上集まるようなパーティーに参加したり。そうなってくると、相手は異色の外国人をひとり覚えるだけであるが、こちら側は到底覚えることができない。
なかには、会ったことがない人ってのもある。子供やら家族から話を聞いていて知っているというパターンだ。
そうやって、知らない人が増えていき、知らない人から声をかけられて、たじろぐことが増えるのだ。