ウズベキスタンでは、2016年に大統領が変わってから、急速に観光地化が各地で進められている。はじめて訪れたころと比べると、街は大きく様変わりした。近代化され、中心地にあったバザールや旧市街は、再開発ために取り壊されてしまった。
元々、観光地化されていたサマルカンドやブハラといった街は、さながらテーマパークのようだ。建物そのものは中世のものであるが、中世の雰囲気なんてまるでない。観光地化されすぎていて、安らげる場所がない感じで、ひどく疲れてしまう。
あまり観光地化されていないのが魅力でもあったヒヴァの街もずいぶんと変わった。駅ができ、鉄道が通った代わりに、昔ながらのバザールと城壁の外の旧市街がなくなった。趣のあった城壁の門には、入場券のQRコードを読み取る機械が埋め込まれ、風情は台無しに。
新しく変わったもので、好きなものはあまりなく、どれもこれも前のほうが好きだったと感じることが増えた。唯一、良かったと思うのが、道が舗装されたことだろうか。
ヒヴァには未舗装の道や更地も多く、イチャン・カラという城壁に囲われた観光の中心地でさえも未舗装のところのほうが多かった。それが今では全面が石で舗装されている。絵柄の入ったマンホールに2021と記されているので、そのあたりに舗装されたのだろう。舗装されたことの何がうれしいかというと、歩きやすくなったという理由ではない。ヒヴァの位置するウズベキスタン西部は雨が少なく、砂漠が広がっており、風が強い日は砂が舞うので、やっかいだったのだ。目や口に入るばかりでなく、服のこまかい部分に入り込んだり、髪の毛が砂でギシギシになるのである。
ビザが免除になり、闇両替がなくなり、SIMカードが買え、タクシーアプリも使えるようになった。便利になり、スムーズに旅行できるようになったものの、もし以前のウズベキスタンにも旅行することが可能ならば、間違いなくそちらを選ぶだろう。