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Nepal2023

#319

10年目のデート

Jul 12, 2024

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「今日、◯◯大学に行く?」そう聞いてきたのは、もうかれこれ出会ってから10年以上経つ、ネパールで1番のお気に入りの子。彼女の言う大学は、ネパールを代表する大学で、2kmほど離れたところにある。
大学の存在は知ってはいるものの、用はないし、行ったこともないし、知り合いがいるわけでもない。行く気がないことを伝えたら、その次の日も聞いてきた。さすが連日聞いてくるくらいだから、何か意味があるんだろうと、その日の夜にじっくり考えてみて、ようやくわかった。
彼女は近隣の町からスクールバスで、私の滞在している町にある学校に通っているのだが、たしか彼女の住む町にその大学があるのだ。もっと直接的に「家に来る?」とか「私の住んでる町に来る?」とか言ってくれれば、意味がわかったのに、誘われていることさえ気づいてなかった。
また聞かれたら、誘いに応じよう、と思ったいたが、明くる日は聞いてこなかった。かといって、連日断った側のこちらから切り出すのもおかしいし・・・。
その話はないまま学校は終わってしまったが、その後、放課後に偶然に出会った彼女と滞在している町を散策することになった。思えば、学校の外で一緒に歩くのは、初である。寺院に行ったり、ところどころで写真を撮ったりしながら、ぶらぶら。あらかた巡ったところで終わりかと思ったら、大学に行くかと聞いてきた。すでに15時をまわっていたので、どうしようか悩んだが、この日は最終日。もう次の日はないので、行くしかない。

出会って10年以上も経ってから、はじめて親に会ったり、私服姿を見たりするなんて、逆に珍しいケースである。そもそも10年以上も続いていること自体が、レアとまではいかないが、そこそこ希少なのである。
ネパールの学校は、しょっちゅう転校やら、引っ越しやらで知った子がいなくなる。ネパールには小学校から落第制度があって、おそらく落第した子は他の学校へ転校しているように思う。それと出稼ぎが多いのだ。ネパールの人口約3,000万人のうち、600万人以上が出稼ぎと言われている。だから、おおげさな話ではなく、よくいなくなるのだ。

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