旅先を決めるときに、もっとも重視するのが気候。ある気候にひかれて旅行を決めることはないが、ある気候をさけて断念することは多々ある。
暑すぎずてもダメだし、寒すぎてもダメ。雨が多い時期もダメ。気温と降水量、どっちも外せない重要な点だ。暑すぎず、寒すぎず、雨も少ない、いわゆるベストシーズンと、自分の旅行へ行くことが可能なタイミングとを合わせないといけない。旅先で地元の人の写真を撮るのが好きな私には、人が表に出ていなさそうな時期は、お話にならないのである。
そうやって問題のない気候の旅行先を選んだとしても、天候は毎年異なる。だから、旅行が近づいてくると、しばしば天気にやきもきさせられる。
今回飛び込んできた情報は、季節外れの雪が降った、雨と雪でがけ崩れが発生し道路が寸断されている、電気も停電しているの3本立てだ。たどり着けるのか、不安しかない。たどり着いたあとも、不安しかない。前年の同時期に行ったことがあり、そのときは雨の日が数日あった程度だったので、安心していたのだが、今回は手ごわそうだ。
結果としては、大きなトラブルに見舞われることはなかった。
道中は山肌を削って造られた未舗装で、2台の小型の車がすれ違える場所も限られた道のため、ただでさえドキドキするのだが、雨続きだと落石やがけ崩れは珍しくないので、マジモンのドキドキであった。車より大きな水たまりにいくつか入り、ボンネットより高くはね上がる水しぶきを何十回と眺め、千以上の水たまりを越えて、無事にたどり着いた。はじめの1週間くらいは、ほとんど雨がだったけど。