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Pakistan2024

#335

身代りパシリ

Dec 04, 2024

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カラーシャの谷は、3つの谷からなっているのだが、そのうちの一番大きくて開けている谷に、少し前に念願のあるものがやってきた。
カラーシャの谷は、電気が不安定で停電になることが多い。なので、常時冷凍が必要なアイスクリームはなかった。しかし、子供たちはアイスクリームの存在を知っていて、ときおり何かをアイスになぞらえて、なめる仕草を真似たりしていた。それほどに、アイスクリームを食べてみたい、と常々思っているようであった。
そこへ、ソフトクリームがやってきたのだ。冷却しながら作り出すソフトクリームマシンであれば、常時冷凍の必要はない。
お菓子の勢力分布図が一気に変わった。それまで子供たちのお菓子といえば、スナック菓子が主流だった。小学生は親から貰ったお小遣いを学校に持ってきて、休憩時間や下校時にお菓子を買うのだが、今はソフトクリーム一強だ。
そんなことから、カラーシャの谷の子が、憧れと夢がいっぱい詰まったソフトクリームを食べてると、なんだかこっちも嬉しくなる。

ある日、学校の休憩時間にソフトクリームを買いにいく様子を見ていると、ふと気になることが・・・。上級生が下級生にお金を渡し、下級生が買ってきたソフトクリームを受けとっていた。ん?パシらせてる?
しかし、引っかかるのが、買ってくるように頼んでいる相手が、0年生か1年生で幼すぎることだ。5〜6歳なので、買ってくること自体に問題はないが、ソフトクリーム落としそう。頼むにしても、もう少し上の年齢の子の良さそうに思うが、なぜ最年少の子なんだろうか。しかも、買ってきてあげている子は、何往復もしている。ひとり分のパシリが終わったら、また違う子に頼まれる。それもひとりずつ頼むもんだから、効率が悪く、えらく時間がかかっている。
彼女たちがそうしてるのには、わけがあった。彼女たちが買うお店は、地元のコミュニティが経営している店で、地元の子には安くソフトクリームを売ってあげている。たとえば、外国人の私が買うと50ルピー、日本円で30円ほどだ。だが、子供たちのお小遣いは、1日に50ルピーも貰えない。たいてい10〜30ルピーくらい。私が買うソフトクリームより気持ち小さめだが、そのくらいの値段で売ってあげている。0年生や1年生くらいの幼い子には、さらに安く売ってあげてるっぽい。それで幼い子に頼んでいたのである。
ちょっとしたズルだけど、お店の人も何度も同じ子が買いにくるのには、さすがに気づいているだろうし、大目に見てくれているのかもしれない。

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