日本には日本語があるけれども、インドにはインド語というものはない。インドの公用語はヒンディー語で、ほかに憲法で公認されている州の公用語が21言語ある。さらに1万人以上の話者がいる言語は121言語あり、小さな集落の言葉まであわせると、数百の言語が存在するともいわれている。
カッチに住むジャット族は、グジャラート州の公用語のグジャラート語と、地域の言葉であるカッチ語なるものを話していた。カッチ語はグジャラート州のカッチ地方と、パキスタンのシンド地方で話されているらしいが、情報が手に入りにくいマイナー言語である。
ありがたいことに、Google翻訳がグジャラート語に対応していた。英語やヒンディー語はわからない人が多かったので、グジャラート語に対応しているのは大きかった。Google翻訳は、英語はもちろん外国語が苦手な人にとっては、海外旅行で大活躍する。テキストを入力して翻訳するだけでなく、音声入力やカメラ翻訳、会話モードなんかもある。しかし、Google翻訳にも苦手なことがある。
まずは、英語以外の言語の精度。日本語↔英語は精度が高い。日本特有の表現などについてはカバーしきれていないので、短文で端的に書くことと、必ず主語を入れるのを気をつければ大丈夫。だが、日本語↔英語以外の言語になると、とたんにバカになる。日本語↔グジャラート語とかになると、かなり使えない。こういうときは、日本語→英語→グジャラート語といったぐあいに、一度英語をはさむといい。
あとはオフラインだ。特定の言語をダウンロードしておくとオフラインでも使用可能になるのだが、これはテキスト入力だけで、音声やカメラ翻訳ではネット環境が必要になる。翻訳したものを音声で読み上げるのも動かない。テキスト入力だと、自分が日本語→グジャラート語と操作するのはいいのだが、相手からのレスポンスがむずかしい。文字の打てないくらいの年齢の子供の場合は、完全に無理である。
最大の問題が、翻訳する言語のが迷子中のときだ。相手の言語が何かわかっていないと、はじめようがない。まず「あなたが話しているのは何語ですか?」と聞きたいくらいだが、何語に翻訳したらいいのかがわからないので、まずそれを聞くことができない。まあ、それを翻訳して相手に伝えることができていれば、その質問は必要なくなるのだけども。