SNSやスマホやパソコンなどのデジタル機器の使用から意識的に離れ、ストレスの軽減や心身をリセットするデジタルデトックス。現代人にとって、心と体を健康に保つための重要なセルフケアといえる。
パキスタンのカラーシャ谷へ行くと、おのずとデジタルデトックスとなる。 パキスタンの主要都市では、4社ほどある国内主要キャリアが利用できるが、カラーシャ谷で通じるのは1社のみで、電波も弱い。とくに最近はスマホの普及率が上がり、完全に需要過多な状態で、つながったらラッキーなくらい使えない。
旅行に便利なアプリも役に立たない。地図アプリは幹線道路しか載っていないし、翻訳アプリは現地語のカラーシャ語やコワール語(チトラリー語)には対応していない。標高2000m前後に建つカラーシャの村は、天気が急激に変わりやすく、天気アプリも当てにならない。普段からゲームや自撮りもしないので、使うのは時刻の確認と、懐中電灯機能くらいだ。
カラーシャに限らず、旅行中はインターネットは最低限しかしないようにしている。SNSは一切見ないし、ニュースもチェックしていない。日常から離れることのできる貴重な旅行の時間を無駄にしているような気になるからだ。スマホなんかに気をとらわれず、目の前の景色や人との会話、その土地の魅力を肌で感じたいのである。
別にやることがなくて暇でもいい。カラーシャ谷なんかでは、暇を持てあますくらいがちょうどいい。ゆったり流れる時間のなかで、自然とともに暮らしてきたカラーシャ。そんな地で、ひたすらぼんやりと過ごすのも、また贅沢な時間でしょう。