カラーシャ谷はパキスタンの辺境に位置するが、それでもパキスタン国内外から多くの観光客が訪れる。
カラーシャ谷を訪れるには、まずパキスタン北西部のヒンドゥークシュ山脈の麓の町チトラールを目指す。チトラールへのアクセスは、ペシャワール方面からロワリ峠を越えていくか、ギルギットからシャンドゥール峠を越えていく。首都のイスラマバードからは車で10時間強、ギルギットからだと最低でも1泊2日だ。チトラールからカラーシャ谷へは、タクシーや乗り合いジープで2時間くらいかかる。
はっきり言って、近くはない。行くのは簡単ではなく、結構な時間をかけて来てるはずだが、観光客たちは皆、一様にすぐ帰る。1泊もしくは2泊、中には日帰りで帰る人すらいる。他人がどんな旅行をしようが、その人の勝手なので、興味はないのだが、そういう観光客に対して、カラーシャの人は少々うんざりしていたりする。動物園みたいに写真を撮って、すぐに去っていくからだ。
カラーシャ谷を訪れる目当ては、民族衣装姿の女性や少女だ。彼女たちを見たり、写真に収める目的で訪れる。子供たちが通う小学校にも観光客はやってくるが、20分ほどしかいない。それじゃ子供たちが慣れる暇なんてない。
建物とか風景とかを撮影しているのではない、相手は人なのだ。自分の願望ばかり優先してる人は、カラーシャの人を不快にさせてることがあるってことを自覚してほしい。
のんびりとカラーシャの人との交流を楽しむ心構えが大切である。ちょっと暇だな、と思うような時間ができてからが本番だ。