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Pakistan2025

#370

共生のゆく末

Dec 05, 2025

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カラーシャ族の人口は、近年は4,000人前後の横ばいと、少数派ながら安定している。しかし、最近実施された調査で、カラーシャ谷に住むカラーシャ族の割合は減少していることがわかった。現在のカラーシャ谷の総人口は約18,000人で、そのうちカラーシャ族は4,100人、イスラム教徒が約14,000人と、カラーシャ族はわずか23%しかいない。「カラーシャ谷」と呼ばれているものの、谷の多数派はイスラム教徒なのである。
カラーシャ谷でイスラム教徒の人口が、カラーシャ族より多くなった主な原因は、周辺地域からのイスラム教徒の移住、カラーシャ族のイスラム教への改宗、そして人口増加率の違いにある。カラーシャ目当てでやってくる観光客を狙って、カラーシャ谷に移り住み、事業をはじめることも多い。経済的な理由から、土地をイスラム教徒に売却したり、借金の担保として取られたりするケースもある。これによりカラーシャ族の居住地域は縮小し、イスラム教徒の居住地は拡大している。また、カラーシャ族の人口増加率は約1.7%と、パキスタン全体の平均増加率の約2.4%を大きく下回っている。

カラーシャ谷におけるカラーシャ族とイスラム教徒は、表面的には平和的で友好的だ。子供達も同じ学校に通っていたりするし、相互の配慮があり、長年にわたり隣人としてともに生活している。
ただ、共生関係の内情は、非常にデリケートである。親族の誰かが家族との絆さえも断ち切って改宗していたりする場合だってある。お互いにどう思っているかという本音は、ずけずけと聞けるものではない。

初手決めつけ

Nov 27, 2025 | Pakistan 2025

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