カメラを変えた。理由は、重かったからだ。
機材はそれほど多くない。レンズだって1本しかない。それでもすべてを合わせると、2kg近くになる。
旅行中は、それをずっと肩からぶら下げている。写真を撮っていないときでさえ、肩にはずっと2kgが乗っている。肩の悲鳴が止まらない。2Lのペットボトルをずっと持ち歩いているようなものだと考えれば、そりゃ重い。
高画質の写真は撮りたいけれど、重い機材が嫌でしかない。
高画質な写真を撮りたければ、大きくて重い機材を持つ。それが当たり前だった。けれど、時代は変わった。近年の軽量化技術の進化により、ミラーレスが主流となり、軽量でコンパクトでも高性能なカメラが多くなってきた。
まずは、今使っているカメラの後継機にあたるミラーレスを見てみた。しかし、思ったほど軽くならない。2割も軽くならない。
カメラ本体だけでなく、レンズも変えるとなると、何十万円とかかる。それだけのお金を払って、軽くなるのはたった2割。それでは、割に合わない。
もっと小さいカメラにしよう。しかし、今まで使っていたメーカーには、そのあたりのサイズのラインナップがなかった。結局、メーカーまで変えることになった。
カメラは軽くなった。半分、とまではいかなかったが、ずいぶん軽くなった。肩の喜ぶ顔が見える。
ただ、ファインダーが見にくい。
小型軽量のカメラなのだから、ある程度はしかたがない。サイズを小さくするために、ファインダーの性能も削られている。それはわかっている。
しかし、ファインダーをのぞいたときに見える景色が、今まで知っていた世界と、あまりにも違いすぎていた。
どこを見ればいいのかわからない。何を切り取ればいいのかわからない。何を考えればいいのかわからない。そこにあるはずの圧倒的な没入感すら、見つけられない。ファインダーの中に、自分の居場所が見つからない。
重さからは、解放された。その代わり、ファインダーの中の世界では、ずっと迷い続けている。