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India2016

#47

好奇心の摩耗

Mar 01, 2017

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私ははじめて訪れる旅行よりも、気に入った土地に再訪するのが好きなのだが、再訪を何度も繰り返すたびに好奇心が摩耗してしまう。
再訪を繰り返すより、新しい場所へ行ったほうがいいのか?とも思ったりもするが、はじめて訪れる場所や国であっても、旅を重ねるにつれ、その経験が逆に好奇心を磨耗させる。はじめての人に会っても、はじめての風景を見ても、はじめての食べ物を口にても、どこか同じように感じられ、もうすでに経験したような既視感を覚える。旅行に行きはじめた最初のころのようには心が弾まない。そんな風に感じることが最近多くなってきた。
これと同じようなことが以前にもあった。それは旅行に行きはじめてしばらくしたころで、そのころは短期間にガイドブックに載っている名所をいくつも回り、市場や土産物屋があれば、のぞいてみる。名物料理があれば、試してみる。そんな旅行者らしい旅行者だった。だけども、旅行は楽しいというより、しんどいものになっていた。
それで、観光名所を巡るのはやめ、本当に興味をひかれたところだけに行くようにした。好きな人とだけ話し。好きなことだけをするようにした。そうしたら、ずっと楽になり、あまり好きでなかった旅行が楽しくなってきた。だから、今もそういう旅をしている。だけども、そうした旅をしているのにもかかわらず、また旅行にあぐねてきたもんだから、困ったもんだ。
ひとつ思い当たることがある。再訪するのは好きだがその間隔だ。再訪時には、前回撮った写真を配り歩くのだが、写真を撮った場所が小学校だったりすると、その子がその小学校にいる間に持って行かなくっちゃ届けられなくなる。その場所へ、再び行きたくないわけじゃないが、今めちゃくちゃ行きたいかというと、そうでもなかったりもする。写真を届けるという使命を果たすことで、少し歯車が狂っているのかもしれない。
たとえ写真を届けれなくなったとしても、再び思いっきり行きたくなるまで、待ってみるのがいいかもしれない。そうだ、自分の再訪の周期を探ってみよう。

縦空病

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