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Nepal2015

#7

濃厚パナウティ

Sep 07, 2016

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ネパールにおいて、存在が確実な最古の王朝とされるリッチャヴィ朝の都だったパナウティ。今はすっかり小さな田舎町だが、川沿いにはネワール建築の寺院が建ち並び、朝日に照らされる姿は実に清々しい。
この小さな町は、ネパールをぎゅっとしぼってコトコト煮詰めたような、濃い目の町だ。この歴史的にも価値のある美しい寺院や街並みが残るパナウティの町を歩けば、あたなはきっとこう思うだろう。汚ねえなと。
パナウティは、ロシ・コーラとプンガマティ・コーラという、ふたつの聖なる川の合流地点にある。川の合流点は聖地とされている。まず、その聖なる川が汚い。川の上流では、大量のゴミが捨てられているが、人はおかまいなしに沐浴したり洗濯したりしている。ガートもある。私は死んでも、墓などいらないし、骨もどこぞ好きなところに捨ててくれて構わないと思っているが、なんだかこの川に捨てられるのは、ちょっと嫌だと思うほどだ。
次にネパールの古都と呼ばれる町はどこでもそうなのだが、鳩が多い。上を見上げれば、屋根や電線に鳩、鳩、鳩だ。ネパールの古都を歩くうえで大切なことは、綿密な彫刻を見逃さないことではなく、鳩のフンに当たらないようにすることだと一票投じたい。それほどに歩く道は鳩のフンだらけなのだ。そして、鳩はフンだけでなく、羽毛の飛散や悪臭もひどい。
町のメイン通りはバザールで多くの人が行き交う。商店の肉や果物の臭いと排気ガス、なぜこんな小さな町でこんなにも空気が悪いのか不思議なくらい強烈だ。ホテルもレストランも清潔さはない。
そんなパナウティだが魅力も多い。人々は非常に人懐っこく、町を散策していればよく声を掛けられる。もちろん、インドみたいに騙そうとする人や、ぼったくり、客引き、ドラッグの売人、そういった類ではない。ただ単純にフレンドリーで親切な人だ。あちこちから手を振られたり、挨拶されたりで気持ちがいい。
町の端から端まで余裕で歩けるコンパクトさもまたいい。町の中心から外れると田園風景が目立つ。その辺りはのどかそのもので、奥には山がそびえ、これぞまさにネパールの原風景である。そして、やはりパナウティは朝が美しい。あの汚い聖なる川も朝には輝いて見え、寺院のシルエットはなんともフォトジェニックである。田園風景も、朝もやの中ピンク色に空が染まるころは息をのむ美しさだ。

むいてもむいても皮ばかり

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